白内障手術

白内障手術

白内障は症状の程度によって、治療方法が異なります。
症状が軽度でそこまで進行しておらず、日常生活についても問題なく送れる場合であれば、経過をみたり、点眼薬治療を行います。
なお点眼治療に関しては白内障の進行を遅らせるためのものであり、症状の改善や視力が回復するものではありません。

日常生活に支障をきたすほどの状態になった場合は手術治療となります。
この手術では濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、代わりに人工水晶体となる眼内レンズを挿入します。

当院では日帰り白内障手術に対応しておりますので、翌日から普段通りの生活を送る事ができます。

白内障手術の特徴

日帰り手術に対応

日帰りで白内障手術が受けられることで、患者さま・ご家族のご負担が軽減されます。入院手続きはもちろん不要であり、お仕事・日常生活への負担、経済的なご負担が最小限に抑えられます。

ライフスタイルに合わせた眼内レンズ選択

当院では、保険診療の単焦点眼内レンズから選定療養の多焦点眼内レンズまでを取り揃えることで、患者さま一人ひとりの幅広いニーズに応えられる体制を整えています。

白内障手術機器「センチュリオン ビジョン システム」を導入しています

白内障手術中の眼内圧変動を減少させる独自の灌流制御システムを搭載しているため、手術中の眼内圧を常に一定に保つ機能があります。
それにより、従来の機器より低い眼内圧で手術を行うことができ、手術中の眼内圧の変動を抑えることで、目に優しい手術が行えるようになりました。

手術の流れ

  1. 目に小さな穴をあけます。
  2. 濁った水晶体を細かく砕いて吸い取って、袋(囊)だけ残します。
  3. 袋(囊)の中に眼内レンズを挿入し、終了です。

手術について

  • 目の状態など個人差はありますが、手術は10分以内に終わる事がほとんどです。
  • 手術の前にまず点眼による局所麻酔を行います。麻酔によって手術中は、ほとんど痛みを感じません。
  • 術後はリカバリー室にてお休みいただきふらつきなどがなくなったらお帰りいただけます。

手術後の注意点

白内障手術では術後の感染症に注意しなければいけません。ご帰宅後は点眼薬を指示通りに使用してください。
特に術後3日間は注意が必要ですので、水などが目に入らないように気をつけて生活してください。
眼内レンズによる見え方は慣れるまである程度の期間が必要です。違和感などが気になる場合には気軽にご相談ください。

眼内レンズについて

水晶体は自らの厚みを自在に変えることができるため、自然にピントを合わせることができます。
しかし、眼内レンズにはその機能が無いため、挿入する眼内レンズは事前に正確な度数や焦点(ピントの合う距離)を決める必要があります。
眼内レンズには、単焦点眼内レンズと、多焦点眼内レンズの2種類のレンズがあります。

単焦点眼内レンズ

ピントが遠距離または近距離のいずれか1点に合うレンズです。

遠距離と近距離のどちらにピントを合わせるか選ぶことができ、よくお車を運転される方は遠方に、手元の細かい作業や読書をされる方は近方というように、普段の生活状況やお仕事の内容、患者さまのご希望などに応じてピントを合わせる位置を選択します。

遠近両方にピントを合わせることができないため、日常生活では焦点距離以外のものをはっきり見ようとする際は眼鏡による補正が必要です。

多焦点眼内レンズ

多焦点眼内レンズは2箇所、あるいは3箇所で焦点が合うレンズです。

ピントの合う距離が複数あることから眼鏡のかけはずしの煩わしさを解消することが期待できます。
単焦点眼内レンズと比較すると眼鏡を使用する必要性が少なくなりますが、必ずしも眼鏡が不要になるわけではなく状況によっては眼鏡が必要となる場合もあります。

多焦点眼内レンズの注意点

  • 多焦点眼内レンズは(一部)医療保険対象外となるため、単焦点眼内レンズより手術費用が高くなります
  • 夜間にハロー・グレアを感じることがあります。夜間に車の運転を行う方には適さない場合があります。
  • コントラスト感度が低下することがあります。
  • 目の状態・検査結果、必要な見え方によっては多焦点眼内レンズが適さない方もいらっしゃるため、希望された眼内レンズが選択できない場合もあります。

選定療養

選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。
令和2年4月より、術後の眼鏡装用率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。

当院で採用している多焦点眼内レンズは選定療養対象です。また当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。
多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明いたします。